混沌常々
日々のことなど、日々を淡々と書き綴る。犬夜叉に燃える!
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まるねこ

Author:まるねこ
社会人の女の人。
北の方出身、関東在住。
でっかい犬と太った猫がすき。
犬夜叉はココロのバイブルです!

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2010.05.31_01:55
「霞桜の宵」のエピローグみたいなものです。

城で別れた雪蓉が、色々と感傷に浸っている話です。

短いです。

よろしければ、どうぞ!

「静寂(しじま)と霧桜」


 一迅の風、夜闇は深く、白みだすにはまだ幾ばくか。
齢を経た枝垂れ桜の巨木の下に、雪蓉は降り立つ。
「霧桜仙。」
幹をコツンと叩くと、梢を僅かに揺らす風と共に、美麗な女性の姿をとった木霊が現れる。
「ことは片付いたかえ?」
「・・・まぁ、一応は・・・・色々な問題発言聞いたし。私もしたし・・・・」
冷静になって思い返れば、冷や汗ものだ。
「それにしては、顔が晴れぬな・・・」
「そう?結構言いたいことも言ったんだけど・・・」
「まぁ、そなたがここへ来るときはいつもそんな顔をしておる。」
「人間て凄いなぁって、感心してね・・・私よりずっと齢も、力も何もかもが劣っているのに、私よりずっと物事を考えられてて前をずんずん進んでいくその生命力が。
先代の崩御の大きな一因に人間が絡んでいた。そのことを明らさまに不服とした殺生丸とは違って、私も不服だったけどそこまで憤れなかったから、今までずっと引きずっていたの。」
「・・・・・・・」
「殺生丸が先代を超えて、護るものを見つけて前を進んでいく様が、今日はまざまざと見てとれた気がして・・・・
私は、何も出来ていないなぁって・・・長様に言い負けたとき、そう思った。」
 大殿で見せた殺生丸の覇気は虚勢なんかではなくて、雪蓉も気圧されそうだった。
「人間を侮蔑していたのは誰よりも勝って私で、答を見出す努力も怠って、生意気に知ったような風をして高みの見物をしていたんだと思うと、情けなくなってね・・・・先代に笑われてしまいそう・・・・」
脱力したように幹に凭れて腰を下ろす。
「そなたは、潔癖症じゃのう・・・・、一途で曲がりようのない・・・・
いいかえ、雪蓉。人間を侮蔑していたところで、お前は殺めたこともないであろう。
今日に至っては、あの小娘にいい薬を与えたではないかえ。いま屋敷に居る娘の晴れた顔は、半分はお前が成したものじゃ。
重臣に言い負けたこととて、大したことではない。年寄りは言い訳が得だからの。
だから、老獪というのじゃ。」
霧桜仙の言い様に微笑をたたえる。
「今日のお前の働きが無ければ、殺生丸はまだ天居牢の中じゃろう、りんと言う娘は攫われていたかもしれぬ。
何を情けなく思うのじゃ?
妾が闘牙なら、城ででかい顔をしていた重臣たちに灸を据えたことを褒めてつかわすところじゃが・・・・」
雪蓉は瞼を下ろす。
 幼き日、屋敷の者たちが誰も構ってくれないことに怒って、下界へ行きたいと駄々をこねた。乳飲子の弟で手が離せない母の代わりに、そんな私をはじめて下界に連れてきてくれたのが闘牙王だった。
そして、ここの桜が見事なのだと誇らしげに言っていた。屋敷が桜屋敷と呼ばれるほど、桜に満ちているというのに。
でもそれは本当で、何処の桜より、霧桜仙の枝垂れ桜は壮麗で、闘牙王の腰丈にも満たない私も言葉を無くして見惚れていた。
 機嫌が直って城へ戻れば、傅く百官達。恐怖や強制ではなく皆々が心からの忠義を寄せていることが汲みとれる。
豪快で、逞しく、そして決して奢らず。他の者の話を聞き、他の者を護る力と、護るべき者への信念を持った。
最高の王だった。
 いつか大きくなったら、力になれるようになりたいと・・・・・
幼いながらに強く憧れ、強く魅かれた。
 崩御したと知ったとき、何も思い浮かばなかった。あんなに強い方だったのに、その死に方があまりにも呆気なさ過ぎて・・・・
もう、なんの力になることもその姿を見ることも無いと思うと、虚しくてたまらなかった。
 200年の月日は流れて
殺生丸は変わり、護るものとそれに相応しい力を得た。
生まれたばかりの赤子だった犬夜叉は、もう父親になっている。

「力に、なれたかな・・・・・」

雪蓉は小さく呟く。

―森羅万象、時が流れ続ける限り変わらずにはいられない・・・・・―

瞼を開けて空を見れば、朝霧に黎明の橙色が混じる。

「さて、」

すくっと立ち上がり、袴についた土塵をはらう。

「霧桜仙、もう一度道を貸して。人間たちがそろそろ戻る頃だと思うから・・・・」

少し晴れた表情で、雪蓉が頼むと、霧桜仙は袖で口元を隠しながら妖艶な微笑を湛えた。

間も無く、夜が明ける。

新しい一日が始まる。













 

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こんばんは。灰猫の眞白です。
このたび混沌常々さまと拙宅を相互リンクさせていただきましたので、ご報告に参りました。
お時間のあるときにでもご確認いただいて、もし不具合があればご連絡くださいね。
これからもどうぞ宜しくお願いいたしますvv
用件のみになりますが、失礼致しました。
眞白 | 2010.05.31 20:00 | edit
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